コラム

2022/07/25

交通事故による後遺障害について

後遺障害とは

 後遺障害とは、傷害が完治せず症状固定(治療を継続しても改善が認められない状態をいいます。)となった状態において、身体に残存している障害のことをいいます。

 後遺障害が残存した場合には、後遺障害による逸失利益、後遺症慰謝料といった後遺障害に係る損害賠償を請求することができます。

 実務上、後遺障害による逸失利益や慰謝料は、後遺障害別等級に基づき算定されます。

 なお、後遺障害の等級の認定については、実務上、自賠責保険での認定が大きな影響力を持っています。

後遺障害の認定

 自賠責保険における後遺障害の認定方法は、おおむね、自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書の記載に基づき、カルテなどの記録と照らし合わせ、原則として労災保険における障害の等級認定の基準に準じて、後遺障害等級に該当するか否か、また、該当するとしていずれの等級に該当するのかの認定を行います。

 なお、後遺障害等級の認定にあたっては、通常、自覚症状があっても他覚所見が全くない場合には、該当しないものと認定されることが多いです。

 そのため、後遺障害等級の認定の資料として供される後遺障害診断書の記載内容が、後遺障害等級の認定にあたって極めて重要になります。

後遺障害診断書記載の注意点

 上述のとおり、後遺障害等級の認定にあたっては、後遺障害診断書の記載内容が極めて重要です。

 そこで、傷病名や自覚症状から予測される後遺障害につき、後遺障害診断書の「各部位の後遺障害の内容」を十分に精査し、後遺障害診断書の記載が不十分であれば、認定基準を満たすかどうかを担当の医師に確認したうえで、記載漏れ等があれば必ず記載してもらい、検査漏れなどがあれば、きちんと検査をしてもらわなければなりません。

小西法律事務所

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