コラム

2020/12/07

裁判上の請求

 裁判上の請求とは、時効の利益を得る者に対して、時効の更新(民法改正前:時効の中断)を主張する者が行う、訴えの提起を指すと解されています。


 訴訟の類型は給付訴訟に限りません。確認訴訟や形成訴訟も裁判上の請求に該当します。また、本訴に限らず、反訴や再訴も裁判上の請求に該当します。

 そのほかに、訴えの提起以外の行為であっても、裁判上の請求の効力あるいは催告の効力が認められることがあります。

裁判上の請求の効果

 「裁判上の請求」をすると、まずはその裁判手続きが終了するまでの間、時効の完成が猶予されます(民法147条1項)。


 そして、手続きがなされた結果として、確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、手続きが終了した時点で時効が更新されます(同条2項)。

 一方、権利が確定しないまま手続きが終了した場合には、時効の更新が生じませんが、手続き終了の時から6ヶ月を経過するまでの間、引き続き時効の完成が猶予されます(同条1項)。

 たとえば、裁判上の請求がなされても、裁判所により訴えが却下された場合や、原告自ら訴えを取り下げた場合には時効更新の効果が生じません。請求が棄却された場合も、同様です。


 なお、裁判上の請求等による時効の完成猶予・更新は、裁判上の請求等の当事者(裁判上の請求等をした者とその相手方)およびその承継人の間においてのみ効力を生じます(民法153条1項)。

※民法改正前は、時効完成猶予のことを、「時効の停止」と表現されてきました。

勝訴判決が確定した場合

 前述のとおり、訴訟を行っている間は、時効は完成しません。訴訟が判決で終了し、その判決で支払い請求が認められた場合には、訴訟が終了した時点(判決が確定した時点)から時効は新たに進行を進めます(時効の更新)。


 そして、その場合の時効期間は、元の権利がどのような種類の権利であっても、10年と定められています。(民法169条1項)

小西法律事務所