コラム

2021/02/22

ペットとして飼えない動物

 動物に関する基本的な法律である「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下「動物愛護管理法」といいます。)が改正され、その一部が、2020年6月1日から施行されました。

 改正された動物愛護管理法第25条の2では、特定動物の飼養又は保管が原則として禁止されました。これにより、特定動物を愛玩目的、つまり、ペットとして飼養することはできなくなりました。

 特定動物とは、人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定める動物(その動物が交雑することにより生じた動物を含みます。)のことをいいます。また、改正法では、政令で定める動物の交雑種も特定動物となりました。

 第25条の2に違反した場合は犯罪となり、6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(同法45条1号)。

 具体的な特定動物は、動物の愛護及び管理に関する法律施行令第3条で定められています。特定動物とは、同施行令別表で定める種(亜種を含む)であり、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令別表第一の種名の欄に掲げる種(亜種を含む。)以外のものとされています。

 動物の愛護及び管理に関する法律施行令別表は後掲の通りです。

 くま、ぞう、キリンなど動物園で見かける動物の多くが動物愛護管理法の特定動物に該当します。

 特定動物とされているねこ科のほとんどはチーター、ユキヒョウなど大型のものなので、ペットとして飼おうと考える人は少ないかもしれません。ねこ科のなかで、神戸どうぶつ王国などにいるスナドリネコは、メインクーンなどの大型イエネコと同じかやや小さいくらいの大きさですが、特定動物でありペットとして飼うことはできません。

 スナネコは、スナドリネコと名前が似ていますが、別種です。

 スナネコは現在のところ特定動物とはされていません。ペットとして飼養する場合、少なくとも、動物愛護管理法第7条で定める飼い主の責務を遵守することが必要となります。また動物販売者は、動物愛護管理法第8条により、購入者に対し、動物の種類、習性、供用の目的等に応じて、その適正な飼養方法を説明しなければなりません。野生種のネコの習性は不明な部分も多いでしょうから、一般家庭で適正な飼養を行うことは困難ではないかと思います。

 サーバルキャットとイエネコの交配により作られた猫種として、サバンナキャットがいます。

 動物愛護管理法第25条の2では、特定動物の定義を、「政令で定める動物(その動物が交雑することにより生じた動物を含む)」としているところ、動物愛護管理法施行令別表にはレプタイルルス・セルヴァル(サーバル)が掲載されています。

 そのため、少なくとも、サーバルとイエネコの交配により生まれた第1世代のサバンナキャット(F1サバンナ)は、動物愛護管理法上、特定動物に該当すると思われます。

 また、施行令別表で定める種の亜種との交雑により生まれた動物も特定動物に該当する可能性があります。例えば、F1サバンナが、動物愛護管理法施行令上、サーバルの亜種に分類される場合、F1サバンナの子(F2サバンナ)も政令で定める動物が交雑することにより生じた動物として特定動物に該当する可能性があります。このようなサバンナは、2020年6月1日以降、ペットとしては飼えませんので注意が必要です。

動物の愛護及び管理に関する法律施行令別表

科名

種名

一 哺乳綱

(一) 霊長目

アテリダエ科

アロウアタ属(ホエザル属)全種
アテレス属(クモザル属)全種
ブラキュテレス属(ウーリークモザル属)全種
ラゴトリクス属(ウーリーモンキー属)全種
オレオナクス・フラヴィカウダ(ヘンディーウーリーモンキー)

おながざる科

ケルコケブス属(マンガベイ属)全種
ケルコピテクス属(オナガザル属)全種
クロロケブス属全種
コロブス属全種
エリュトロケブス・パタス(パタスモンキー)
ロフォケブス属全種
マカカ属(マカク属)全種
マンドリルルス属(マンドリル属)全種
ナサリス・ラルヴァトゥス(テングザル)
パピオ属(ヒヒ属)全種
ピリオコロブス属(アカコロブス属)全種
プレスビュティス属(リーフモンキー属)全種
プロコロブス・ヴェルス(オリーブコロブス)
ピュガトリクス属(ドゥクモンキー属)全種
リノピテクス属全種
センノピテクス属全種
シミアス・コンコロル(メンタウェーコバナテングザル)
テロピテクス・ゲラダ(ゲラダヒヒ)
トラキュピテクス属全種

てながざる科

てながざる科全種

ひと科

ゴリルラ属(ゴリラ属)全種
パン属(チンパンジー属)全種
ポンゴ属(オランウータン属)全種

(二) 食肉目

いぬ科

カニス・アドゥストゥス(ヨコスジジャッカル)
カニス・アウレウス(キンイロジャッカル)
カニス・ラトランス(コヨーテ)
カニス・ルプス(オオカミ)のうちカニス・ルプス・ディンゴ(ディンゴ)及びカニス・ルプス・ファミリアリス(犬)以外のもの
カニス・メソメラス(セグロジャッカル)
カニス・スィメンスィス(アビシニアジャッカル)
クリュソキュオン・ブラキュウルス(タテガミオオカミ)
クオン・アルピヌス(ドール)
リュカオン・ピクトゥス(リカオン)

くま科

くま科全種

ハイエナ科

ハイエナ科全種

ねこ科

アキノニュクス・ユバトゥス(チーター)
カラカル・カラカル(カラカル)
カトプマ・テンミンキイ(アジアゴールデンキャット)
フェリス・カウス(ジャングルキャット)
レオパルドゥス・パルダリス(オセロット)
レプタイルルス・セルヴァル(サーバル)
リュンクス属(オオヤマネコ属)全種
ネオフェリス・ネブロサ(ウンピョウ)
パンテラ属(ヒョウ属)全種
プリオナイルルス・ヴィヴェルリヌス(スナドリネコ)
プロフェリス・アウラタ(アフリカゴールデンキャット)
プマ属(ピューマ属)全種
ウンキア・ウンキア(ユキヒョウ)

(三) 長鼻目

ぞう科

ぞう科全種

(四) 奇蹄目

さい科

さい科全種

(五) 偶蹄目

かば科

かば科全種

きりん科

ギラファ・カメロパルダリス(キリン)

うし科

ビソン属(バイソン属)全種
スュンケルス・カフェル(アフリカスイギュウ)

二 鳥綱

(一) ひくいどり目

ひくいどり科

ひくいどり科全種

(二) たか目

コンドル科

ギュンノギュプス・カリフォルニアヌス(カリフォルニアコンドル)
サルコランフス・パパ(トキイロコンドル)
ヴルトゥル・グリュフス(コンドル)

たか科

アエギュピウス・モナクス(クロハゲワシ)
アクイラ・アウダクス(オナガイヌワシ)
アクイラ・クリュサエトス(イヌワシ)
アクイラ・ファスキアタ(ボネリークマタカ)
アクイラ・ニパレンスィス(ソウゲンワシ)
アクイラ・スピロガステル(モモジロクマタカ)
アクイラ・ヴェルレアウクスィイ(コシジロイヌワシ)
ギュパエトゥス・バルバトゥス(ヒゲワシ)
ギュプス・アフリカヌス(コシジロハゲワシ)
ギュプス・ルエペルリイ(マダラハゲワシ)
ハリアエエトゥス・アルビキルラ(オジロワシ)
ハリアエエトゥス・レウコケファルス(ハクトウワシ)
ハリアエエトゥス・ペラギクス(オオワシ)
ハリアエエトゥス・ヴォキフェル(サンショクウミワシ)
ハルピア・ハルピュヤ(オウギワシ)
ハルピュオプスィス・ノヴァエグイネアエ(パプアオウギワシ)
モルフヌス・グイアネンスィス(ヒメオウギワシ)
ニサエトゥス・ニパレンスィス(クマタカ)
ピテコファガ・イェフェリュイ(フィリピンワシ)
ポレマエトゥス・ベルリコスス(ゴマバラワシ)
ステファノアエトゥス・コロナトゥス(カンムリクマタカ)
トルゴス・トラケリオトス(ミミヒダハゲワシ)

三 爬虫綱

(一) かめ目

かみつきがめ科

かみつきがめ科全種

(二) とかげ目

どくとかげ科

どくとかげ科全種

おおとかげ科

ヴァラヌス・コモドエンスィス(コモドオオトカゲ)
ヴァラヌス・サルヴァドリイ(ハナブトオオトカゲ)

にしきへび科

モレリア・アメティスティヌス(アメジストニシキヘビ)
モレリア・キングホルニ(オーストラリアヤブニシキヘビ)
ピュトン・モルルス(インドニシキヘビ)
ピュトン・レティクラトゥス(アミメニシキヘビ)
ピュトン・セバエ(アフリカニシキヘビ)

ボア科

ボア・コンストリクトル(ボアコンストリクター)
エウネクテス・ムリヌス(オオアナコンダ)

なみへび科

ディスフォリドゥス属(ブームスラング属)全種
ラブドフィス属(ヤマカガシ属)全種
タキュメニス属全種
テロトルニス属(アフリカツルヘビ属)全種

コブラ科

コブラ科全種

くさりへび科

くさりへび科全種

(三) わに目

アリゲーター科

アリゲーター科全種

クロコダイル科

クロコダイル科全種

ガビアル科

ガビアル科全種

弁護士 石堂 一仁

所属
大阪弁護士会
大阪弁護士会 財務委員会 副委員長(H29.4~)
大阪弁護士会 司法委員会(23条小委員会)
大阪弁護士会 弁護士業務改革委員会(ベンチャー法務プロジェクトチーム)
近畿弁護士会連合会 税務委員会 副委員長(H31.4~)
租税訴訟学会

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