コラム

2021/02/18

事業承継とは?

事業承継とは

 事業承継とは、株式会社などの事業を後継者などの第三者に継がせることをいいます。

 ここで承継される事業は、株式会社だけではなく、有限会社や合同会社、合名会社、合資会社、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、NPO法人、医療法人、宗教法人などの法人、その他事業の内容は問わず個人事業も含まれます。

 経営者が高齢になって事業の継続が困難になったり、あるいは、事業の売却等の必要が生じた場合、事業承継を検討する必要に迫られることがあります。

 事業承継にはいくつかの種類、パターンがありますが、大きく分けると、①子ども、兄弟などの親族に継がせる親族内承継、②自社の従業員、取締役等に継がせる親族外承継、③他の第三者へ事業を売却するM&A、があります。

親族内承継

 親族内承継とは、子ども、兄弟等の経営者の親族の中で事業承継を行うことをいいます。

 例えば、経営者である父親から長男に事業を継がせるのはその典型で、株式会社であれば、株式を贈与、売却する等して事業の承継を行うことがよく行われています。お互いよく見知った親族内で事業の承継が行われるため、他の方法と比べてスムーズに承継できる点が特徴です。

 ただし、後継者以外にも相続人がいる場合には、株式を含む他の財産(遺産)の分配の仕方を巡ってトラブルに発展することもあるため、その点については慎重な配慮が求められます。

親族外承継

 親族外承継は、自社の従業員、取締役への承継が行われる場合と自社の外部から新たな経営者を招き入れて行われる場合の二つがあります。この親族外承継は、経営者の親族内で適切な後継者がいない場合に、自社のことをよく知った従業員、取締役や、あるいは、外部の信頼できる人物を招き入れて承継させる方法です。

M&A(Merger&Acquisition)

 M&A(Merger&Acquisition)とは、会社や事業の合併、買収のことをいいます。

 親族内に事業を引き継ぐ後継者が見つからず、また従業員、取締役等が引き継ぐすることも難しい場合、このM&Aが事業承継の方法として選択されることがあります。

弁護士 小西 憲太郎

所属
大阪弁護士会
刑事弁護委員会
一般社団法人財産管理アシストセンター 代表理事
一般社団法人スモールM&A協会 理事

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